ナマステ!ヨガ初心者アドバイザーの串本です!
ヨガと聞くと、どんなイメージを思い浮かべますか?
多くの人は「健康的なライフスタイル」「リラックス」「美しいポーズ」などを想像するかもしれません。最近では街中でもヨガスタジオを見かけることが増え、SNSにはカラフルなヨガマットの上でポーズをとるインストラクターや愛好者の姿があふれています。
ヨガは“心と体の調和”を促すものとして、現代社会で広く受け入れられているように見えます。
しかしその一方で、ヨガに対してマイナスなイメージを抱いている人もいます。
「ヨガってなんだか宗教っぽいよね」
「スピリチュアルすぎて、ちょっと怪しい」
…そんな声を耳にしたことはありませんか?
僕自身、ヨガを長年続ける一人として、こうした意見に触れることがあります。
この記事では、ヨガが一部の人に「良くないイメージ」を持たれてしまう理由を探りながら、その背景や、どのように伝え方を工夫すればもっと多くの人に受け入れてもらえるかを考えていきます。ヨガを愛する人も、少し距離を感じている人も、ぜひ一緒に考えてみてください。
ヨガが持つ「良くないイメージ」とは?

ヨガは、健康増進やストレス解消に効果的なアプローチとして、多くの人に親しまれています。最近ではリハビリ現場やアスリートのトレーニングでも取り入れられるようになっています。
しかし一方で、ヨガに対してネガティブな印象を抱く人が一定数いることも事実です。代表的なものが、「ヨガ=宗教」という誤解です。
ヨガで使われるマントラ(例:「オウム」)や瞑想、宇宙との一体化といった概念が、宗教的・スピリチュアルな雰囲気を連想させ、抵抗感を抱かせてしまうことがあるのです。
実際、僕がヨガの話をすると、「ヨガっていいけど世界観がねー」と冗談交じりに言われたこともあります。特に昭和世代の方々には、ヨガをある種の宗教活動と結びつけてしまう傾向が見られます。一方で、平成以降の若い世代では、ヨガをフィットネスや美容法と捉え、ポジティブに楽しんでいる人が多いようです。
このような世代間のギャップには、ヨガが日本で広まる際の歴史的背景が影響していると考えられます。
また、「以前ヨガ教室に通ったけれど、先生がスピリチュアルすぎてついていけなかった」という声も聞いたことがあります。ヨガのもつ精神性が、時には人を引き離してしまう原因になっているのです。
なぜヨガにマイナスイメージが生まれるのか?

ヨガに対するマイナスなイメージの一因は、やはり歴史的な事件の影響です。
特に1990年代に日本で大きな社会問題となった某宗教団体の存在は大きく影を落としています。その団体がヨガや瞑想を活動に取り入れていたことから、「ヨガ=怪しい宗教的なもの」という印象が世の中に残ってしまったのです。
この出来事を知る昭和世代の中に、ヨガに対して強い警戒心を持っているように感じます。実際、私も50代の方に「ヨガってさー、あの団体のイメージがあよねー?」と言われたことがあります。
また、ヨガにはもともと東洋哲学や精神的な修行要素が含まれており、「マントラ」「チャクラ」「瞑想」などの概念もあります。日本では馴染み深い座禅はヨガに通ずるものがあるので比較的親しみやすさはあると思われますが、価値観とズレを生むことで、「怪しさ」や「とっつきにくさ」を感じる人も少なくありません。
さらには、ヨガ教室でのインストラクターの表現にも原因があります。
たとえば「宇宙のエネルギーを感じましょう」「魂を浄化しましょう」といった表現を多用されると、フィットネス目的でヨガを始めた人にとっては違和感が強く、結果的に教室を離れてしまうケースもあるのでしょう。
日本人に合うヨガの伝え方とは?

一部の人のヨガへのネガティブなイメージを払拭するには、日本人の文化や感性に合った伝え方を模索する必要があります。
まず大切なのは、ヨガの本来の目的を、難解な言葉ではなく、シンプルで親しみやすい表現で伝えることです。
たとえば、「自然とつながる感覚を大切にする」「心と体を落ち着かせる時間を持つ」といった言い回しは、日本人にも受け入れられやすいものです。
僕のクラスでも、「宇宙」や「魂」といった表現はなるべく控え、「自然との調和」や「自分と向き合う時間」といった表現を使うようにしています。
これは、ウイスキーの例にも似ています。かつて本場ウイスキーのスモーキーな風味が敬遠され日本ではあまり流行りませんでした。サントリーは日本人の舌に合う味に調整することでウイスキー市場を広げました。ヨガも同じく、伝統を尊重しながらも、日本人の文化に合わせて調整する姿勢が求められます。
次に大切なのは、ヨガを教える側のスタンスです。
クラスを構成する際、参加者の目的に応じて内容のバランスを調整することが重要です。
たとえば、フィットネス目的の人にはポーズや呼吸法中心のクラスを、精神的な学びを求める人には瞑想やマントラの要素も含めたクラスを提供するなど、柔軟に対応することが望まれます。そうすることでヨガが「怪しいもの」ではなく「身近な健康法」として認知されやすくなります。
最後に、インストラクター自身が寛容でであることも欠かせません。
「ヨガは怪しい」と感じる人の意見を否定せず、背景にある不安や価値観を理解する姿勢を持つこと。
それこそが、ヨガが“一部の人のもの”ではなく“誰にとっても開かれたもの”になる第一歩です。
まとめ
ヨガは、心と体の調和を促す素晴らしい実践です。しかし一部では、宗教的・スピリチュアルすぎるという誤解やマイナスイメージを持たれることがあります。
その背景には、歴史的な出来事や文化の違い、そしてヨガの伝え方の課題があるのです。
それでも、日本人の感性に合った言葉や形で伝えていくことで、ヨガはより身近で親しみやすい存在になるはずです。
自然とのつながりや、自分に戻る時間を感じられるヨガの魅力を、押しつけることなく丁寧に伝えていけば、多くの人に受け入れてもらえると信じています。
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