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ヨガだけでは足りない?体の不調改善に必要なのは医療との連携

ポーズ集


ナマステ!ヨガ初心者アドバイザーの串本です!

ヨガをすればなんでも良くなる」──そんな誤解をしていませんか?

確かに、ヨガには心身を整え、柔軟性や呼吸を改善し、自律神経を整えるなど多くの効果があります。しかし、すべての体の不調をヨガだけで解決できるとは限りません。

特に慢性的な痛みや違和感がある場合、背景には病気や姿勢の歪み、生活習慣の問題など、医療的な視点からの原因が隠れていることもあります。

だからこそ、今からヨガを始めたいと考えている人もそうですし、ヨガを教えるヨガ指導者が医療の知識や考え方を理解しておくこと、必要に応じて医療機関と連携することがとても大切なのです。

本記事では、ヨガと医療が連携することの意義と、それが利用者の安心や効果的なアプローチにつながる理由についてお伝えします。

ヨガは医療行為ではない

ヨガは肩こり、膝の痛み、ストレス、慢性疼痛、疲労感など、さまざまな身体の悩みに効果があると言われ人気ですが、注意すべきなのは「自己判断で行うリスク」です。身体不調改善目的の場合、医師の診断なしにヨガを始めると、隠れた重篤な疾患を見逃し、症状を悪化させてしまう可能性があります。

実際、骨折や関節炎、神経障害、内臓疾患がある場合、ヨガのポーズが身体に悪影響を及ぼすケースもあります。整形外科の観点から言うと身体に不調がある場合、X線やMRI、医師による整形外科テストなどで原因を特定してから対処するのが基本です。

これが何の根拠もなくヨガ指導者が「このポーズで不調が必ず改善します」といった言い方をするのは非常に危険です。根拠も無いから悪化する可能性があるし、そもそもヨガ指導者は医師ではないため、診断や治療は行えませんので医療法にも抵触します。

厚労省のeJIMにもヨガは民間療法としてエビデンスがあると紹介してあります。つまり、ヨガは医療行為ではないけど効果はあるみたいよと言ってるのです。

改善」「治る」といった表現は医療行為と捉えられる可能性があるため、指導者はヨガは医療行為ではないという線引きを明確にし、安全な範囲での指導に徹する必要があります。

医師との連携がポイント

身体の悩みの原因は非常に幅広いです。肩こりは筋肉の緊張、悪い姿勢、ストレスが原因となります。膝痛は関節の摩耗、靭帯の負担、炎症が原因です。慢性疼痛は神経の過敏や過去のケガが影響します。ストレスや疲労感は自律神経の乱れ、睡眠不足、生活習慣が要因となります。

医療従事者目線だと見た目や感覚だけでは原因を特定することはできません。さきほども書いたようにX線で骨の異常を確認し、MRIで軟骨や筋肉の損傷を調べ、血液検査で炎症や内臓の問題を特定し、問診で生活習慣やストレスの影響をチェックする必要があります。

あなたが病院にいって何の検査もなしに「あー、これは風邪ですね。風邪薬出しときますね」って言われたら何を根拠に風邪と診断してるの?って思いますよね

このような根拠のない状態で自己判断でヨガを行うことは、リスクを伴います。もし骨折や急性炎症、神経障害がある場合、ダウンドッグや深い屈伸、強いツイストなどのポーズが症状を悪化させる可能性があります。

なので身体に不安がありヨガを始める場合は、事前に医師の元で検査してヨガをしても問題ない状態なのかチェックするのがいいでしょう。

身体の悩みを安全に解消するためのステップ


身体の悩みを持っている場合に、ヨガを安全に楽しむためには、まず整形外科や専門医の診断を受けることが重要です。医師に相談し、X線、MRI、血液検査で原因を確認しましょう。

重症疾患が除外され、運動療法やストレス管理が許可された場合、ヨガは非常に効果的な手段となります。厚労省のeJIMによると、ヨガは慢性疼痛、ストレス、軽度の筋骨格系トラブルの補助療法としてエビデンスが確認されています。厚労省もヨガを勧めているので正しいステップを踏んで安全にヨガを始めましょう。

ステップ1:医師の診断を受ける

身体に不調がある場合、まず最初に行うべきことは、医師の診断を受けることです。ヨガは健康をサポートする手段ですが、体調不良や慢性的な痛みがある場合、自己判断で無理に始めるのは避けるべきです。医師の診断を受け、問題の所在を明確にした後に、ヨガが有効かどうかを判断するのが賢明です。

ステップ2:医師の許可を得る

医師からの診断結果を元に、ヨガが適切な治療の一環として役立つ場合でも、必ず医師の許可を得ることが重要です。医師が許可する場合でも、ヨガのプログラムはクライアントの状態に合わせて調整する必要があります。特に身体に痛みや制限がある場合は、優しいアプローチでヨガを行うことが推奨されます。

ここまでの流れは以下の動画でも解説されています。

ステップ3:ヨガ指導者と連携する

ヨガ指導者は、医療知識を持っているわけではないため、医師と密に連携を取ることが求められます。ヨガの指導は、クライアントの身体状況に応じた内容で行うべきです。医師の指示に従い、クライアントの体調に合わせた安全で効果的なポーズを選び、無理なく進めていくことが大切です。

あなたがもしこれからヨガを始める場合はこの動きはOK。この動きはダメというように医師も教えてくれるはずです。それを指導者に伝えましょう。

指導者側も医師から許可が出ている動きを事前に聞いておくと安心して指導できますよね。

ステップ4:クライアントの安全を最優先に

指導者として、最も大切にすべきことはクライアントの安全です。ヨガを指導する際には、各ポーズの適切な修正を行い、無理なく進められるようサポートすることが求められます。

特に身体に不調を抱えているクライアントに対しては、柔軟性や筋力を無理に高めようとせず、痛みや不快感を感じない範囲でポーズを行ってもらうことが重要です。また、クライアント自身が身体のサインに耳を傾けることを促すことも大切です。

このような流れでいけばこれからヨガを始める人も指導者も安心してヨガのレッスンができるはずです。

もちろんこの流れを別にしなくていい人がいます。それは身体に不調は無いけどフィットネス目的でヨガを始めたい人です。そういう人は思いたった瞬間にスタジオに行きましょう。

まとめ


身体の悩みに対して、ヨガは非常に効果的な方法ですが、まずは専門医の診断を受け、医師の許可を得ることが前提です。診断を受けた後、医師の指導のもとでヨガを行うことで、安全に効果を実感できます。ヨガ指導者としては、クライアントの安全を最優先に、無理なく進められるようサポートすることが求められます。また、医療との連携を大切にし、心身のバランスを重視した指導を行うことで、クライアントがより健康的な生活を送れるようにサポートすることができます。

最後に、ヨガは素晴らしいツールですが、自己判断や無理なポーズで体調を悪化させないよう、常に安全を意識して行いましょう。ヨガの本来の効果を最大限に引き出すためには、医師との連携と適切な指導が必要です。身体に不安を抱えている場合には、まず医師に相談し、その後ヨガを取り入れることが、健康維持や症状改善への近道となります。

プロフィール
kushimotomisao

串本 操/ヨガ・ピラティスインストラクター広島県広島市出身。全米ヨガアライアンスRYT200 ポールスターマットピラティスインストラクターの資格を取得。
広島市内の整形外科で17年間勤務後、2025年4月に独立。ボディコンディショニングサロンゆうまなを広島県廿日市市にオープン。「ヨガ・ピラティスのメソッド」と「15年以上実務から得た経験と知識」を活かした運動指導方法でリハビリ業務やグループレッスンをしています。保育園でのキッズヨガ、アスリートへのコンディショニングヨガ、高齢者向けのシニアヨガと転倒予防教室など老若男女問わずそれぞれのニーズに適した運動指導を得意としています。

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