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感覚統合から見るとキッズヨガってすごく効果的

ヨガの効果

ナマステ!ヨガ初心者アドバイザーの串本です!

子どもの健やかな成長には、2~8歳の時期に「感覚統合」を整えることがとても重要です。感覚統合とは、触る・動く・見る・聞くなどの感覚刺激を通して、脳が情報を整理し、身体の動きや感情のコントロール、そして社会性を育む力のこと。感覚統合がうまく働くと、バランス感覚が身につき、感情が安定し、友達との関わりもスムーズになります。逆にその力が育っていないと、動きがぎこちなくなったり、集中力が続かなかったりと、発達全体に影響が出ることも。

本来は、自然の中で遊ぶことが子どもの感覚統合にとって何よりの刺激です。芝生を走り回ったり、木に触れたり、土の匂いを感じたりと、五感すべてを使って能動的に身体や感情を動かす経験は、デジタル機器のような受動的な刺激とは比べものにならないほど子どもに良い影響を与えます。

でも、現代では都市化や天候、安全面の問題で、思い切り自然とふれあう時間を確保するのが難しいのも現実。そんな今だからこそ注目したいのが「キッズヨガ」。初心者の親子でも気軽に始められて、楽しみながら感覚を刺激できるキッズヨガの魅力を、これから詳しくご紹介します!

現代の子どもの発達に潜む課題

感覚の土台が十分に育っていないと、感情のコントロールや社会性の形成にも悪影響があります。友達との関わりが難しかったり、集中力が続かなかったりする子どもも増えてきています。こうした問題は、成長とともに大きな差として現れることもあり、見過ごせません。

この“感覚の土台”という考え方を視覚的に表したものが、「感覚ピラミッド」と呼ばれる発達の階層モデルです。

感覚ピラミッド

これは、子どもの発達がいくつもの層から積み重なってできていることを示しており、最下層には「触覚」「前庭覚(バランス)」「固有覚(筋肉・関節の感覚)」など、身体を通じて得られる原始的な感覚が位置します。これらがしっかり育つことで、その上に「感情の安定」や「言語理解」「手先の器用さ」「学習能力」といった、より高度な発達が築かれていくのです。

つまり、感覚統合はまさにこのピラミッドの土台。基礎が不安定だと、いくら上に学習や社会性の力を積み上げようとしてもグラグラしてしまいます。感覚統合がうまくいかないと、見た目には「落ち着きがない」「集中できない」「運動が苦手」といった表面的な困りごととして現れますが、根本的な原因はもっと深い部分にあるかもしれません。

なぜ感覚統合がうまくいかないのか

感覚統合が育ちにくくなっている背景には、現代の生活環境の変化があります。まず挙げられるのが、自然の中で自由に遊ぶ機会の減少です。昔は、子どもたちが野原を走り、木に登り、土や草に触れる中で、自然と多様な感覚刺激を受けていました。これらの体験は、触覚・固有覚(筋肉や関節の感覚)・前庭覚(バランス感覚)をバランスよく育てる、極めて重要な要素でした。

しかし今は、都市化や住宅事情により、子どもが自然にふれる機会が激減。感覚刺激の質と量が乏しくなっています。また、デジタル機器の普及により、視覚と聴覚ばかりが偏って刺激され、身体を使った遊びが減少していることも問題です。特に長時間の動画視聴やゲームは、座ったまま受動的に情報を受け取るだけで、感覚統合の発達にはほとんど役立ちません。

さらに、近年の猛暑やコロナ禍の影響で、外遊びの機会はますます減少。これにより、子どもたちは感覚の“飢餓状態”に陥りやすくなっています。

加えて、子どもたちの個々の「感覚欲求」への理解と対応が不十分なことも原因の一つ。例えば、動きを求める子には走ったり跳んだりする時間が必要ですが、教育現場では静かに座っていることが優先されがち。あとは大きなテーマパークに行くと順番待ちの間に止まって待つ。子供にとってはただの苦痛の時間でしかありません。個々の感覚ニーズが満たされないと、子どもは集中できず、落ち着きのない行動を取ることがあります。

忙しい現代の親にとって、子どもと一緒に自然の中で過ごす時間を確保するのは容易ではありません。だからこそ、家庭や室内でも「能動的に身体と感情を動かす経験」ができる場を意識的に設けていくことが、子どもの感覚統合の土台づくりに欠かせないのです。

キッズヨガで感覚統合をサポートする効果

もちろん、自然の中での遊びが子どもにとって最良の学びの場であることに変わりはありません。芝生を駆け回り、木に触れ、風を感じることで、子どもは五感を使いながら能動的に心と身体を動かします。これは、スマホやタブレットといった人工的で受動的な刺激では決して得られない、深い学びと経験です。

しかし、都市部ではそのような自然体験が簡単には叶いません。そこで代替手段として効果的なのが「キッズヨガ」。子どもが楽しみながら身体を動かせるよう設計されたキッズヨガは、感覚統合を整える手助けとなります。以下に、キッズヨガが感覚統合にどのように役立つのか効果があるのか、3つ紹介します。

1. 固有覚と前庭覚の刺激

キッズヨガでは、バランスを取るポーズや筋肉を動かす動作が多く、固有覚(筋肉や関節の感覚)や前庭覚(バランス感覚)を豊かに刺激します。「木のポーズ」や「猫のポーズ」など、楽しみながらできる動きがたくさんあり、転びやすい子や運動が苦手な子も、少しずつ自分の身体をコントロールできるようになります。

2. 視覚とボディイメージの発達

先生や親の動きを見て真似することで、視覚と身体の協調が育ちます。視覚情報を受け取り、それを身体で再現する過程が、脳と身体をつなぐ回路を鍛えます。見たままを身体で表現するボディイメージが良くなるわけですね。ヨガのゆっくりとした動きは、視覚過敏な子でも取り組みやすく、集中力や理解力の向上にもつながります。

3. 多様な関節運動で新鮮な刺激

ヨガは全身の関節をさまざまな方向に動かすため、日常生活では得られない新しい感覚刺激が生まれます。これは、感覚統合の土台をさらに強化する大きなメリット。動きのバリエーションが多いため、飽きやすい子でも楽しく続けられます。

キッズヨガは、自宅で親子一緒に始められる気軽さも魅力です。YouTubeなどを活用し、1回5~10分から始めてみましょう。笑い合いながら一緒に動くことで、親子の絆も深まります。

まとめ

子どもの発達において、感覚統合は心と身体、そして社会性の土台となる大切な力です。自然の中での遊びがその力を育む最高の手段であることは間違いありませんが、都市化や天候、安全面の理由から難しい場面も増えています。

だからこそ、受動的なデジタル機器に頼るのではなく、子どもが能動的に感情や身体を動かせる時間を意識的につくることが大切。その手段のひとつとして、キッズヨガはとても有効です。初心者でも気軽に始められ、楽しみながら感覚統合をサポートできます。

プロフィール
kushimotomisao

串本 操/ヨガ・ピラティスインストラクター広島県広島市出身。全米ヨガアライアンスRYT200 ポールスターマットピラティスインストラクターの資格を取得。
広島市内の整形外科で17年間勤務後、2025年4月に独立。ボディコンディショニングサロンゆうまなを広島県廿日市市にオープン。「ヨガ・ピラティスのメソッド」と「15年以上実務から得た経験と知識」を活かした運動指導方法でリハビリ業務やグループレッスンをしています。保育園でのキッズヨガ、アスリートへのコンディショニングヨガ、高齢者向けのシニアヨガと転倒予防教室など老若男女問わずそれぞれのニーズに適した運動指導を得意としています。

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