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肉や魚を食べることは、ヨガの教えに反するのか

ヨガを始める人向け

ヨガを始めると、ポーズや呼吸法だけでなく「食事」についても気になってくる人は多いと思います。
「ヨガをする人って肉や魚を食べないの?」「やっぱりベジタリアンにならないといけないのかな?」
そんな疑問を僕自身も最初は持っていました。

ヨガには、「どう生きるか」という哲学的な教えが含まれていて、その中でも特に有名なのが八支則(はっしそく)という8つの実践項目です。その最初に出てくるのが「禁戒(ヤマ)」で、その中には「非暴力(アヒムサ)」という教えがあります。

この非暴力を、「動物の命を奪わない=肉や魚を食べない」という解釈をする人もいて、実際、ヴィーガンやベジタリアンのヨガ実践者もいます。

ただ、僕が思うに、それはあくまで一つの考え方。極端に動物性の食品を排除することが、必ずしも身体に良いとは限らないし、それが逆に「自分に対する暴力」になってしまうことだってあると思っています。

この記事では、「ヨガと食事、特に肉や魚をどう考えるか」というテーマについて、僕なりの考えや実践、そしてヨガを始めたばかりの人が自分らしく向き合えるヒントをお伝えします。

ヨガ指導者は動物性食品を避けるべき?

ヨガを学んでいくと、どうしても避けて通れないテーマのひとつが「非暴力」という考え方です。
アヒムサ(非暴力)は、「他人を傷つけない」だけでなく、「あらゆる命を尊重すること」だと解釈されることもあります。だからこそ、「命を奪う=肉や魚を食べるのはヨガ的にどうなのか?」と疑問が湧いてくるわけです。

インドのヨガ行者や宗教的な伝統を持つ人たちの中には、実際に完全菜食(ベジタリアン・ヴィーガン)を徹底している人もいます。
日本でも、精進料理のように動物性の食材を使わない文化があり、そういった思想に違和感はあまりないように思えます。

けれど、僕たちは現代社会に生きていて、仕事をしたり、運動をしたり、育児をしたり、日々忙しい生活の中で身体をしっかり動かしています。そんな中で、動物性タンパク質を全く摂らないというのは、栄養バランス的にも現実的にきつい場合もあると思います。

では、ヨガをしている僕たちは、肉や魚をやめるべきなのか?
それとも、他にもっと大切なことがあるのか?
僕自身が考え方はこんな感じです。

なぜ「食べない方がいい」と思ってしまうのか

ヨガに真剣に向き合うようになると、どうしても「正しくやりたい」「教えに忠実でありたい」という気持ちが強くなっていきます。
その中で、「アヒムサ=非暴力」という考えが「肉や魚を食べることはダメなんじゃないか」とつながってしまうのは、ある意味自然なことかもしれません。

特に今の時代、SNSなどでヴィーガンが紹介されていたり、プラントベースの食事が「ヨガ的」として広まっていたりすると、「やっぱり動物性のものは避けるべきかな…」と不安になる人もいると思います。

また、日本はもともと動物性食品をあまり食べてこなかった文化もあるし、「粗食=体に良い」という考えも強いので、そういった価値観に影響されやすいという背景もあります。

でも、極端な菜食を続けることで、たとえば鉄分やビタミンB12などが不足し、体調を崩す人も実際にいます。
身体が元気じゃないと、ポーズの練習だって呼吸法だって深まっていかないし、何より心の安定を保つのが難しくなってしまう。


ここまでくると思うことがあります。自分の体をいたわることも、ヨガの「非暴力」なんじゃないか?と。

食べること=命をいただくという意識を持つ

僕が行き着いた答えは、「食べること自体が悪いわけじゃない。どう食べるかが大事」ということです。
お肉や魚を食べるかどうか、それは個人の選択でいい。けれど、「命をいただいている」という気持ちを忘れないことが大切なんじゃないかと思うんです。

僕たちは食事を通して命をいただき、自分の体を作り、動かし、日常を生きていく。
その意味で、「いただきます」「ごちそうさまでした」という言葉には、とても深い意味があるんじゃないかと思います。

僕は、出されたお肉や魚はできるだけ綺麗に、美味しく、そして残さず食べるようにしています。
とはいえ、焼き魚をきれいに食べるのがちょっと苦手で、うまく骨を取れなかったときは、ちょっと申し訳ない気持ちになります…。
それでも、「この命を無駄にしないように」と思って、感謝の気持ちを忘れずに食べるようにしています。

また、「地産地消」や「旬のものを選ぶ」といった意識も大事だと思っています。
僕たちは自然の一部。自然の流れに沿った食事こそが、本当の意味でのヨガ的な在り方かもしれません。

ちなみに、僕はトマトだけはどうしても食べられません(笑)。
めちゃくちゃ我慢したら食べれんこともないですが農家さんが心を込めて作ってくれたと思うと、無理して食べることもまた失礼かもしれない。だからこそ、無理をしない、自分の体と心に優しくあることもヨガの一部だと思っています。

まとめ

ヨガの実践において、「肉や魚を食べるかどうか」は、自分自身で決めていいテーマだと僕は思っています。
何よりも大切なのは、「バランス」と「感謝」の気持ち。

命をいただくことに意識を向けて、身体にとって本当に必要なものを、無理なく、偏らず摂る。
そうやって食と向き合う姿勢が、結果的にヨガの「非暴力」や「調和」につながっていくんじゃないでしょうか。

ヨガ初心者の人や、これから指導者を目指す人にも、「食べなきゃいけない」「食べちゃいけない」という極端な考えではなく、自分にとって心地よい在り方を探してもらえたらと思います。

プロフィール
kushimotomisao

串本 操/ヨガ・ピラティスインストラクター広島県広島市出身。全米ヨガアライアンスRYT200 ポールスターマットピラティスインストラクターの資格を取得。
広島市内の整形外科で17年間勤務後、2025年4月に独立。ボディコンディショニングサロンゆうまなを広島県廿日市市にオープン。「ヨガ・ピラティスのメソッド」と「15年以上実務から得た経験と知識」を活かした運動指導方法でリハビリ業務やグループレッスンをしています。保育園でのキッズヨガ、アスリートへのコンディショニングヨガ、高齢者向けのシニアヨガと転倒予防教室など老若男女問わずそれぞれのニーズに適した運動指導を得意としています。

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